点数表につきましてはこちらをご覧ください。

☆『旅路を死神』


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fee「今回の対象者の森岡さんは、殺人を犯してしまった人です。母親を刺して、その後若者の喧嘩騒ぎで自棄になって人を殺し、逃げてしまいました。なぜ母親を刺したのかも含め、森岡さんの人生を掘り下げていきます。母親に裏切られたと思っていた少年時代の森岡さん。だからこんなに荒んでしまったんですけど、実はそれは勘違いで。母親にちゃんと愛されていた事が解って終わります」

 

仔月「そうですね。真相を解き明かしたのが、どこかズレた千葉さんだったのが面白かったです。当事者だからこそ視野が狭くなっていたのかなと思いますし、人とは違う独特な考え方をする千葉さんだからこそ、解き明かせたのかなと思って」

 

fee「千葉さんは立場上、客観的に観られますからねぇ。『吹雪に死神』でも探偵役を担っていました。この『旅路を死神』も、犯罪者のルーツを探っていくタイプのミステリで、王道と言えば王道だと思います。猟奇殺人犯の深層に迫るとか、一人の人の生涯を犯罪に絡めて書くタイプのミステリ。

最後、勘違いで良かったですね」

 

仔月「ですね」

 

fee「母親なり深津さんなり、森岡さんに対してもう少しケアできなかったのかなぁとは思いました。『おふくろに騙された』という森岡さんの勘違いも、お母さんと深津さんが恋愛関係にあったと仮定すれば、そう考えても仕方ない面がありますし。

おふくろは俺を始末して深津と結婚しようとしている、という妄想はある程度のリアリティがあります。このお母さんは多分森岡さんを溺愛していたと思うんです」

 

仔月「はい。そう思います」

 

fee「お母さんを愛し、愛されていた親子だったからこそ、裏切られたと感じた時の傷も深かった。母子家庭で兄弟もいなかったはずですし。お母さんは助かったんでしょうか?」

 

仔月「どうなんでしょう?」

 

fee「刺したとは書いてあるけど、殺したとは書いていないような……。森岡さんはどちらにしろ亡くなってしまいますけど。森岡さんとしては死ぬ前にお母さんへの誤解が解けて良かったかもしれないけど、個人的には森岡さんは『見送り』にしてほしかったなぁ。誤解に気づいて、お母さんと涙の再会をさせてあげたかった。シーンとして書かなくてもいいんですが、そういう可能性を残してほしかったなぁと思います」

 

仔月「お母さんが無事だとしても、森岡さんが死んでしまったら、それはそれでかわいそうですよね」

 

fee「もし死んじゃったとしたら、お母さんは森岡さんの誤解が解けずに亡くなってしまうわけで……あ、『森岡容疑者の母親の慈子さんが怪我を負っている事もわかっています』と書かれていますね。死んでないな、これは」

 

仔月「あーー、死んでないですね」

 

fee「たいていニュースでは、意識不明の重体というフレーズを使いますよね。意識不明の重体と言わず、『けがを負っています』という言い方だと、多分命に関わる怪我ではない、と思います。直接対面はできないけど、森岡さんが誤解に気づいた事はお母さんに伝わる。良かったと言えば良かったか」

 

仔月「そうですね。救いはあります」

 

fee「伊坂さんは、めちゃくちゃ救いのない、いやーーーーな話は書かなそうですね」

 

仔月「はいw」

 

fee「いやーーな話が好きな人や、そういうのを書く作家さんもいると思うんですが、僕はあまりにも救いのない話はちょっと苦手で。

ルース・レンデルの『ロウフィールド館の惨劇』で心に傷を負いました。酷い話だった(巧いけど)w

 

仔月「ははははww」

 

fee「伊坂さんはタッチが軽いです。シリアスな話もすごーく悲しくてすごーく救いのない感じにはしないですね。『恋愛で死神』とか、もっとエグく書くこともできますし」

 

仔月「ですねぇ」

 

fee「そういう意味で人に薦めやすいなと。『死神の精度』がつまらなかった、という人はいるかもしれないけど、『こんなもん薦めんなよ! マジ気持ち悪いわ!』とか『難解で読めない!』みたいな人はいないんじゃないかな」

 

仔月「それは確かに。癖が強い作品のなかには、薦めにくい作品もありますよね」

 

fee「そうなんだけど、そういう濃口の作品ほど、本当に大好きだったりもする……」

 

仔月「あーー」

 

fee「そこがこの短編集の弱点というか……」

 

仔月「強烈さがない」

 

fee「ちょっと物足りなさはありますね。ただ、安心して読める作家でもある」

 

仔月「ですね」

 

fee「安心して読めるし、刺激物が少ないけど中身はちゃんと詰まっていると思います。ただただ読者に優しいだけの*ユートピアで刺激物がないんじゃなくて、中身はちゃんとある。

僕、1つだけ気になるのが、P236の『その時だけ、雨雲がさっと裂けて、月が一瞬だけ顔を出し、トランクに光を射し込んだので、「それ、正解です!」と夜が伝えてきたかのようでもあった』の『それ、正解です!』って……」

 

仔月「ははははww」

 

fee「ここだけ浮いていません? 何かネタでもあるんでしょうか?」

 

仔月「どうなんでしょう?」

 

fee「文章のトーンがここだけ不自然というか。ミスをしているのか、敢えて不自然な文章を入れて注意を惹くような何らかの意図があったのか。どちらだかよくわからないけど、何か効果があるかなぁ?と思って」

 

仔月「いやぁ……ないような」

 

fee「うーん。千葉さん目線の描写だから……千葉さんだから突然変なテンションになってもおかしくないのかな? 突然バラエティ番組のノリみたいになっちゃって。なんなんでしょう?」

 

仔月「確かに浮いているとは思います、ぼくも」

 

fee「逆に言うと、浮いている文章はここぐらいだと思うんです。全体的にトーンがしっかりしていて丁寧な文章で、だからこそ読みやすい。伊坂さんの文章は隙が無い。

描写が凄く美しいとか、印象的な一文があるとは僕は思いませんでした。でも、すごく優等生的な文章なんですよ」

 

仔月「手堅い」

 

fee「伊坂さんの文章は、引っかかるところがない。リズムが自然で、淀むことがない。読み手の胸にすっと入ってくる。んだけど、すっと胸に入ってきてすっと胸から出て行ってしまうのも弱点です。

そこで『それ、正解です!』みたいな突拍子もない文章を入れて、リズムを変えたかったのかなと思ったりもして」

 

仔月「あぁ~~」

 

fee「癖の強い文章は、印象に残りやすいです」

 

仔月「それはありますねぇ」

 

fee「読みにくい事も多いんですが、読んだ後もずっと印象に残る。読みやすくて印象に残る作家さんもいて、それが最高ですけど。

伊坂さんは、読みやすいけど印象に残るかは微妙かな。ただ、ストーリーを伝えるための文章、という意味では出しゃばらず最適な、優等生的な文章で、さすがプロ作家だなと感じました」

 

仔月「ですね」


 *言葉通りの『ユートピア』ではなく、『アルカディア』の意味で使っています。アルカディアという単語はそこまで一般的ではなく、多くの人は『ユートピア』という単語から『アルカディア』の方を連想すると思ったので。



 

☆『死神対老女』


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fee「大体同じぐらいの点数ですね」

 

仔月「はい」

 

fee「僕がつけた76点は、作品自体というよりも総集編的な意味合いでの76点です」

 

仔月「この『死神対老女』では、前に出てきた2編の内容が関わってきます」

 

fee「どうせなら5編全部関わらせられなかったのかなぁ。まぁいいけど。

老女とあるし実際70過ぎの設定ですけど、結構若々しいですよね。いわゆるヨボヨボではないじゃないですか。70過ぎでも元気でシャキシャキしているような方は『おばさん』と呼んであげたいなぁと思ってw

 

仔月「言葉のイメージ的には『おばあさん』だと老け込んでいる感じは受けますね」

 

fee「はい。その、70過ぎの美容師さんが今回の対象者。美容師さんに頼まれて、美容院の宣伝を千葉さんがする羽目になります。高校生ぐらいの男女2人ずつ、友達同士ではだめ、明後日に来てほしい、という条件をつけられて、街角でキャッチセールスをする千葉さん。何故そんな条件がつけられたのか? という話です。

この老女は親しい人をたくさん突発的な事故で亡くしています。初めて好きになった人も亡くしているし、父親や長男も亡くしているし。疎遠になった次男の子供、要は孫がいるんですが会った事がない。その孫が明後日、ついにやってくる。だけど、その孫の顔を知りたくないという事で、孫を紛れ込ませるために高校生を何人も連れてきてほしい。

というのがこの作品の筋です。一番最後に老女の正体(これが一番の謎でしょうか)と、千葉さんが来る日はいつも雨だった天気が、今日は晴れていた。という小さな奇跡が起こって、終わります」

 

仔月「ですね」

 

fee「サブエピソードで、この老女が若かった頃に流行っていた歌の話なども出てきます。感想としては結構切り口がありますね。総集編としても語れますし」

 

仔月「ぼくは総集編として読みました。老女の正体は何者なのか、というのがやはり最大の謎だと思います。その最大の謎、つまり老女の正体の明かし方が巧いなと。唐突ではなく、情報を小出しにしながら、最後にバーンと明かす感じで」

 

fee「ジャケットの話も出てきますね」

 

仔月「はい」

 

fee「セール除外品でしょ?」

 

仔月「(そう)です」

 

fee「『恋愛と死神』に出てきた、荻原さんの恋人、古川さん。古川さんの50年後が、この老女という事で、驚きがありますよね。作中に出てくる昔流行っていた曲は藤木一恵さんの曲。「死神の精度」で千葉さんが唯一見送りにした女性が、その後歌手としてブレイクしたというエピソードも入っています。

時間が流れているという驚きもありましたが……ここは総集編としての話になるので、後で触れる事にしましょう。まずは短編単体の感想を話して、最後に総集編としての話をした方がまとまると思うので」

 

仔月「はい」

 

fee「この作品だと、坊主頭の高校生に『髪きりに行かないか?』と千葉さんが声をかけるのが面白かったです」

 

仔月「ははははww 千葉さんらしいですねww」

 

fee「たいていの高校生には相手にされていないし。『明後日なんだけど、髪を切りにいかないか?』と声をかけても相手にされなかった」

 

仔月「ふふふww」

 

fee「P310髪を切りにいかないか、いい店があるんだと言うと彼らは、『おまえ、馬鹿にしてんのかよ』と一斉に沸き立った。どうやら彼らがいちように坊主頭であることが理由らしい

 

仔月「ははははww」

 

fee「『もう一度、訊ねたが、一番体格の良い男がつかみかかってくる気配を見せたので、やめた。

なかなか面白いです』

 

仔月「はいw」

 

fee「突然知らない人に『2日後に髪を切りに行かないか?』と言われて、それでついていく人はなかなかいないですよね」

 

仔月「確かに、難しいですね」

 

fee「誰も来てくれないので、千葉さんが自腹を切る事にします。千葉さんが自腹を切るというのは、『恋愛で死神』の荻原さんがセール除外品を、自腹を切って古川さんにジャケットをプレゼントしたエピソードに掛けている。つまり古川さんは無茶なお願いをして、2回も男性に自腹を切らせたわけですね」

 

仔月「はいw」

 

fee「こういう繋がりも、ニヤニヤできて巧いと思います。孫を誰だか知らないでいたい、という話とか、地味に頑張っている竹子さんがもう少し活躍するのかなと思ったらそうでもなかったとか。

竹子さんも藤田の娘とか、阿久津の妻にしちゃダメだったのかな? せっかくだから5作総出演してほしい気持ちもあったんですけど」

 

仔月「総集編として考えると、そういう気持ちはありますよね」

 

fee「竹子さんの台詞で、『幸せだったと思ったおじさんも今は、奥さんが新興宗教にはまっちゃって、借金作ってるみたいだし~ほんと死ぬまで分かんないって感じ』という文があります。こういう台詞の中に紛れ込ませる事は可能だったと思いますけどね。『お金持ちの家に嫁いだと思った奥さんが、息子に刺された話もあるし~ほんと死ぬまで分かんないって感じ(『旅路を死神』)みたいに繋げられるじゃないですか」

 

仔月「できますねw」

 

fee「あと、『ゲームセット! と少年が意味もなく声を上げ、一人で悦に入っている』という文章も面白かった。確かにゲームセットみたいな単語、少年は好きそうだなぁって。カタカナで響きもカッコいい。2まで行かない、まだ小2病ぐらい。この響きカッコいい、キメ台詞だ!」

 

仔月「はははw」

 

fee「カッコいいセリフだけど、中学生が言いそうな、ローゼンクロイツァーとかそういうドイツ語系統の単語は言えなくて、ゲームセット止まりで。中2病の片鱗が既に出ている感じで、可愛いなと思いました」

 

 

fee「あまり時代考証を気にしても仕方ない作品ですが、まぁ折角だからツッコみますか。『死神対老女』は近未来の話、でいいのかな?」

 

仔月「そうですね」

 

fee「2030年、ぐらいかな? 僕、ちょっと考えたんですよ。『死神対老女』が、この作品が出版された2005年の話だと仮定する。古川さんは70過ぎの老女。『恋愛で死神』は古川さんが21歳なので、『恋愛で死神』は1950年代ということになる」

 

仔月「あぁ~~」

 

fee「でも、1950年代の描写には全く見えません。ブティックという単語がありますが、1950年代に服屋の事をブティックとは言わないと思います。CDショップもあるし。全ての編が現代っぽく書かれているんです。他の編も注意深く読んだんですけど、たとえば『死神の精度』は時代設定を考えると、『恋愛と死神』よりも後になるんです」

 

仔月「あ~~はい」

 

fee「根拠は古川さんの記憶だけですが。『私が20代か30代の時に流行った曲』と書いてある。『恋愛で死神』の古川さんが21歳なので、時系列順で後の可能性が高いと思います。

素直に読むと、『死神対老女』が近未来という事もあって、当然時系列順に作品が並んでいるのかな?と思うんですけど、そうではない。

『恋愛で死神』→「死神の精度」の順序はほぼ確定。『恋愛で死神』には音楽の話をするシーンがありますが、そこでも藤木さんの曲は出てこない」

 

仔月「ですね」

 

fee「となると、『恋愛で死神』の後で藤木一恵さんがブレイクした可能性が高い。更に、「死神の精度」の『料理を分け合う男女』の事を『吹雪で死神』で千葉さんが思い出しているので、『恋愛で死神』→「死神の精度」→『吹雪で死神』→『死神対老女』という流れはほぼ確定。他2編はどこに入るのかはわかりませんが」

 

仔月「なるほど……」

 

fee「CD1977年にアメリカで開発が開始されたそうです1982年の10月に世界初のCDプレイヤーが発売された。168000円。82年の段階ではなかなかの高級品ですね。まぁ庶民でも買えますが、かなり音楽好きな人以外はレコードカセットテープじゃないかな。

でもCDショップがあるという事は、CDプレイヤーが普及している。やっぱり90年代か2000年代っぽい。となるとそこから50年後なので、『死神対老女』は2050年あたりになりますね。考えてもあまり意味がないかもしれないけど、一応そういう事になります」

 

仔月「その辺は全然考えてなかったですねw 年代が明示されていない場合、いつだろう?とはあまり考えない読者なんですw」

 

fee「わかりました。まぁ、この作品は時代性を出していないので、時代考証を真剣に考えて意味あるの? とは思います。全部、現代の延長上という感じで、50年後も今と変わらず、坊主頭の高校生が出てくる。そういう不思議空間で良い。

ファンタジーというかメルヘンというか、そういう意味での不思議な感じで、時が止まっている。それは全然マイナス評価はしていません。ただ、最初ずっと現代ものだと思って読者は読むはずなんですが、突然50年飛んでいるんです。全然そうは思えないのに」

 

仔月「はいw」

 

fee「「死神の精度」では上下で1万円の安物のスーツが出てくる。1950年代は多分月給1000円とかそんなだと思います。50年代や60年代の物価じゃないなぁと。『吹雪に死神』には携帯電話が出てくる。まぁ掘り下げても仕方ないか」

 

仔月「ぼくは作品を読むときに、これが現実に即しているかどうかという基準ではあまり読まないみたいです。現実に即して考えれば、この描写が2050年の描写として適切なのかどうかはかなり怪しい。ただ、フィクション世界は必ずしも現実と同じような発展をするわけではないので、そこに違和感を覚える必要はないかなと」

 

fee「全然それでいいと思うし、問題もありません。それで評価を下げる事はないです。ただ、

舞台が現代日本っぽいので妙に気になっちゃって。解説の方がちらっと触れていましたけど、村上春樹さんもこういう感じはありますよね」

 

仔月「あぁ~~どうなんですかね。ぼくは未読なのでわかりません」

 

fee「僕は3つくらい読んだ、かな。現代日本っぽいのに不思議な空間が広がっていました。解説で『春樹チルドレン』という単語が使われているけど、そういう意味なのかな? 僕は村上春樹さんと伊坂幸太郎さんじゃ読んだ感覚はだいぶ違うと思いますけど、現代を書いているのにどこかおとぎ話っぽい、ちょっとライトでとぼけた感じ。現代日本のおとぎ話的な、軽妙な語り口は似ているかな?と思いました。

3作ぐらいしか読んでいないので、僕が読んだ作品の中ではという限定付きですが……村上春樹さんはファンが多いからなぁ。テキトーな事を言うと怒られちゃうかな」

 

仔月「はははww」

 

fee「僕は伊坂さんの方が読みやすいと思います。村上春樹さんは読みにくいと思いました。単に文体が肌に合わないのかもしれないけど、万人ウケしそうな感じはなくて」

 

仔月「あぁ~~」

 

fee「もっとみょうちきりんで、もっとメルヘンっぽかった気がします。『不思議の国のアリス』みたいな、突拍子がない感覚。

洒落た会話が続いていたら、突然女が怒りだして、僕は放っておいた、みたいな。

なんで女が怒りだしたのかも僕にはわからないし、なんで放っておくんだよ!と思うんだけど、なんかとぼけた感じで面白い。人間なんてそんなもんさ、みたいな。

そういう不思議空間にマッチできるか、あるいは、春樹さんがそこに隠した深いテーマを汲み出せるか。多分、表面に書かれている事よりも、ずっと深い事が書かれていると思うんです。でも僕にはわからなかった」

 

仔月「あぁ~~~」

 

fee「なんか狐につままれたような感覚だけが残って……」

 

仔月「うーんww」

 

☆終わりに

 

fee「僕は最初の1編だけ低くて、他はみんな大体同じぐらいの評価なんですけど……。割と得点の傾向は似ているけど、仔月さんが『恋愛で死神』を評価しているのが違うくらいかな?

「死神の精度」は僕が67点で仔月さんが50点ですけど、どちらにしろ他編に比べてこの作品だけ評価が低いのは一緒です」

 

仔月「ですね」

 

fee「途中でも話したように、あっさり味ながら割と万人に薦められる作品なので、対談候補として提案しやすかったんですが、いかがでしたか?」

 

仔月「そうですね。それなりに楽しめたんですけど、ちょっと物足りなさもありました。そこは薄味というか万人向けならではの、癖の弱さというか。個人的にはもっと癖の強い作品の方が好きかなぁ」

 

fee「解りましたw 癖が強い作品、というか好みがガチで分かれそうな作品は、対談難易度が高いんですけどね。お互い100点をつけあっていて『良いですね! 良いですね!』じゃ、僕らは楽しいけど対談記事としてはつまらないし、片方が100点をつけていて片方が0点をつけているとなると、対談記事は盛り上がるかもしれないけど、100点側の人が辛い気持ちになるかもしれないし。

こう、6080点ぐらいで、楽しく読めるけどそこまで思い入れはない、ぐらいの作品が語る上ではやりやすいという……。

ともあれ、今回はありがとうございました! また対談をやりたいと思うので、よろしくお願いします!」

 

仔月「はい! こちらこそよろしくお願いします!」

 

今後の予定はまだ未定ですが、「この大空に、翼を広げて」が有力候補になっています。

他にも、やれそうな作品があればやりたいと思っています。